春から初夏にかけての今の季節、FujisawaSSTではサツキの花が綺麗に咲き始めています。
我が家も小さいながらも庭があって、そんな季節の移り変わりを感じられるのはいいものだなぁなんて思いつつ・・・やっぱり庭のお手入れって大変です。
特に今の時期は、意図的に植えられた植栽も、どこからかやってきた雑草たちも、本当によく伸びます。1日に数センチは伸びているのではないでしょうか。
こちらに入居した当時は、外構のプロの方々が手がけただけあって、庭もとても綺麗で、結構放っておいても(素人が見る限りなら)それなりに見られたりします。
でも、さすがに2年目、3年目となると野性味溢れる感じになって、素人目にもちょっと残念な感じになってきます(←我が家で実証済み!)。
そんな時に頭の中に思い浮かぶフレーズがこちら。
「植栽なんてやめてコンクリで固めちゃダメですか?」
そう、マイホーム関係のブログを読んでいると、「最初から、外構は全てコンクリで固めちゃいました」という方々が結構いらっしゃいます。私のようなズボラな人間は、本来はそうした方がいいのかも。
でも、FujisawaSSTでは、それはできないのです。
前置きが長くなりましたが、今日はなぜそれができないのかを書いてみようと思います。
1.なぜ、庭一面をコンクリで固めてはいけないの?
なぜ、コンクリートで固められないか。
端的に言えば、そういう規制があるからです。
FujisawaSSTのある地区は都市計画法に基づいて「地区計画」が定められていて、さらに景観法に基づく景観形成地区として「景観形成基準」が定められています。
さらに、自治会の独自ルールとしてタウンデザインガイドライン(簡易版PDF・詳細版PDF)を定めています。
これらルールがあるから綺麗な街並みが将来に渡って維持される、というわけです。
逆に言えば、自らもこれらのルールに書かれていることを守らないといけないので、例えば庭一面をコンクリートで固めてしまうことはできないということになります。
2.庭の緑化に関するルールはどんなものがあるの?
正確な情報はそれぞれの一次資料を当たっていただければと思いますが、上記の「地区計画」「景観形成基準」「タウンデザインガイドライン」から、緑化に関するルールを抜粋してみました。
(1)「地区計画」で定められているルール
- 敷地面積の10分の1を緑化しないといけない
- 歩行者専用道路から1mの範囲は半分以上緑化し、その緑化した箇所の長さは敷地と接する歩行者専用道路の長さの半分以上でないといけない
(2)「景観形成基準」で定められているルール
- 高さ3m以上のシンボルツリー1本、それ以外の高中木(2m以上)を2本以上植えないといけない
- 緑の配置は周囲との連続性に配慮しないといけない
- 道路との境界線に面する部分のかき又はさくの構造は、「生垣」又は「ブロック等で、敷地の地盤面からの高さが、0.6 メートル以下のもの」としないといけない(仮称南北線や湘南新道との境界線に面する部分、お隣との境界線に面する部分のさく又はかきの構造には別ルールあり)
(3)タウンデザインガイドラインで定められているルール
- 植栽は(道路、水路の一部の区間のみではなく)敷地内にバランス良く配植しないといけない
- 屋根に設置する太陽光パネルへの日照確保に配慮した樹種・樹木の配置を行わないといけない
- 地域性種苗、在来種、地場種のものを積極的に用いなければならない
- 侵略的外来種は導入してはならない
- シンボルツリー、サブツリー、コーナーツリーの樹種は、区画で指定されたものから選択しなければいけない
それにしても、こうして見ると、緑化に関するものだけでも結構ありますね。
庭一面をコンクリートで固めてしまうことは、「地区計画」の「敷地面積の10分の1を緑化しないといけない」といったルールや、「景観形成基準」の「高さ3m以上のシンボルツリー1本、それ以外の高中木(2m以上)を2本以上植えないといけない」など、複数のルールに抵触することになりそうです。
なお、タウンデザインガイドラインの資料には「地区計画」や「景観形成基準」に関する情報も掲載されています。
緑化に関するもの以外にも結構沢山のルールがありますので、一度はタウンデザインガイドラインの資料(簡易版PDF・詳細版PDF)に目を通しておく方がよさそうです。
3.ルール違反をするとどうなるの?
さて、気になるのはルール違反時の罰則です。
それぞれの規制の根拠法令ごとに罰則は違っています。
一番厳しいのは景観法で、次の罰則が用意されています。
一番厳しいのは景観法で、次の罰則が用意されています。
- 市への事前の届出をしなかったり、虚偽の届出をした者
→30万円以下の罰金(景観法第103条第1号) - 市の変更命令に従わなかった者
→50万円以下の罰金(景観法第102条第1号) - 変更命令に従わず、その後の原状回復命令にも従わなかった者
→1年以下の懲役または50万円以下の罰金(景観法第101条)
都市計画法の方も、罰則は存在しています。
- 市への届出をしなかったり、虚偽の届け出をした者
→20万円以下の罰金(都市計画法第93条第1号)
どちらにも共通するのは、事前の届出が必要であること、届出をしないと罰則があるということ。
さすがに刑事罰は怖いので、守らないとですね。
さすがに刑事罰は怖いので、守らないとですね。
タウンデザインガイドラインについても事前の届出(自治会への届出)が必要なのは共通ですが、今のところ、特段の罰則はありません。
もちろん、街並みをきれいに保つためのルールですから、罰則の有無によらずに尊重することが自分にとってもメリットがあるわけですけれど。
もちろん、街並みをきれいに保つためのルールですから、罰則の有無によらずに尊重することが自分にとってもメリットがあるわけですけれど。
4.何でもかんでも届出が必要なの?
都市計画法、景観法のいずれも、実際に建物や外構に手をつける30日前までに市への事前の届出を求めています。
ちょっと庭をいじるだけでいつも届出が必要とすると、おちおち庭いじりもできませんが、さすがに、そんなちょっとした行為が届出の対象になっているわけではないようです。
具体的には、都市計画法では、緑化に関しては、次の事項に該当すれば届出不要とされています(都市計画法施行令第38条の5第1項第5号)。
景観法でも、緑化に関しては上記と全く同じ項目を届出対象外としています(景観法施行令第8条第1項第3号)。
それ以外にも、景観法の関係では、生垣を含む「かき又はさく」について1.5mを超えなければ届出対象外とされていますし(藤沢市都市景観条例第11条第1項第1号イ(ウ))、「記念塔、装飾塔、物見塔その他これらに類するもの」も高さが2メートルを超えなければ届出不要とされています(藤沢市都市景観条例第11条第1項第1号イ(ア))。
なお、届出が不要というだけで、かき又はさくの構造について「ブロック等で、敷地の地盤面からの高さが、0.6 メートル以下のもの」といったルール自体は守る必要がありますので、ご注意を。
また、「このブログにこう書いてあるから」というのは刑事罰を免れる理由にはならないので、迷ったら藤沢市の担当部署に問い合わせるのがよいのかなと思います。
それから、上記はあくまでも緑化に関する届出対象外の行為です。緑化以外の行為についても、別途、届出対象外の行為があったりしますので、それはそれで確認が必要です。
届出が不要な場合に該当しないときは、各ルールに適合する内容でも届出が必要です。
詳しい手続きは、それぞれ次のページに記載されているようです。
私自身、ちょっと勘違いをしていたのですが、都市計画法に基づく手続きと景観法に基づく手続きとでは、届出先が違っています。
それぞれに対して手続きが必要なのですね。
また、自治会への届出は、実際にはタウンマネジメントの委託先のマネジメント会社さんに対して行うことになります。
このあたりの手続の流れを図にまとめたものが、タウンデザインガイドラインに掲載されています。
ここで気をつけたいのが、マネジメント会社さんが市への手続きを代行してくださるわけではないということ。
そもそも行政手続きの代行は行政書士さんの独占業務なので、「しない」というよりも「できない」という方が正しいかも(手続きの代行ではなく問合せを代行することは行政書士法に触れないです)。
というわけで、庭のお手入れがどんなに大変でも、庭一面をコンクリートで固めることはできない、という話でした。
庭のお手入れ、頑張らないとですね。^^;
それから、私自身、まだ実際の手続きをしたことがないので、ちょっと(かなり?)理屈っぽい説明になってしまいました。
いつか実際に手続きすることがあったら、またレポートさせていただこうと思います。
それでは、また。
ちょっと庭をいじるだけでいつも届出が必要とすると、おちおち庭いじりもできませんが、さすがに、そんなちょっとした行為が届出の対象になっているわけではないようです。
具体的には、都市計画法では、緑化に関しては、次の事項に該当すれば届出不要とされています(都市計画法施行令第38条の5第1項第5号)。
- 除伐、間伐、整枝等木竹の保育のために通常行われる木竹の伐採
- 枯損した木竹又は危険な木竹の伐採
- 自家の生活の用に充てるために必要な木竹の伐採
- 仮植した木竹の伐採
- 測量、実地調査又は施設の保守の支障となる木竹の伐採
景観法でも、緑化に関しては上記と全く同じ項目を届出対象外としています(景観法施行令第8条第1項第3号)。
それ以外にも、景観法の関係では、生垣を含む「かき又はさく」について1.5mを超えなければ届出対象外とされていますし(藤沢市都市景観条例第11条第1項第1号イ(ウ))、「記念塔、装飾塔、物見塔その他これらに類するもの」も高さが2メートルを超えなければ届出不要とされています(藤沢市都市景観条例第11条第1項第1号イ(ア))。
なお、届出が不要というだけで、かき又はさくの構造について「ブロック等で、敷地の地盤面からの高さが、0.6 メートル以下のもの」といったルール自体は守る必要がありますので、ご注意を。
また、「このブログにこう書いてあるから」というのは刑事罰を免れる理由にはならないので、迷ったら藤沢市の担当部署に問い合わせるのがよいのかなと思います。
それから、上記はあくまでも緑化に関する届出対象外の行為です。緑化以外の行為についても、別途、届出対象外の行為があったりしますので、それはそれで確認が必要です。
5.届出ってどうするの?
届出が不要な場合に該当しないときは、各ルールに適合する内容でも届出が必要です。
詳しい手続きは、それぞれ次のページに記載されているようです。
私自身、ちょっと勘違いをしていたのですが、都市計画法に基づく手続きと景観法に基づく手続きとでは、届出先が違っています。
それぞれに対して手続きが必要なのですね。
また、自治会への届出は、実際にはタウンマネジメントの委託先のマネジメント会社さんに対して行うことになります。
このあたりの手続の流れを図にまとめたものが、タウンデザインガイドラインに掲載されています。
タウンデザインガイドラインより
ここで気をつけたいのが、マネジメント会社さんが市への手続きを代行してくださるわけではないということ。
そもそも行政手続きの代行は行政書士さんの独占業務なので、「しない」というよりも「できない」という方が正しいかも(手続きの代行ではなく問合せを代行することは行政書士法に触れないです)。
6.おわりに
というわけで、庭のお手入れがどんなに大変でも、庭一面をコンクリートで固めることはできない、という話でした。
庭のお手入れ、頑張らないとですね。^^;
それから、私自身、まだ実際の手続きをしたことがないので、ちょっと(かなり?)理屈っぽい説明になってしまいました。
いつか実際に手続きすることがあったら、またレポートさせていただこうと思います。
それでは、また。
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