前回は、FujisawaSSTのタウンデザイン・ガイドラインについて書かせていただきました。
今回はそれとも少し関連する話で、第1種低層住居専用地域とFujisawaSSTの低層住宅地区Aの比較について書いてみようと思います!
1.FujisawaSSTの用途地域の指定は?
FujisawaSSTの各デベロッパーさんのページで物件概要を見ると、物件のある土地の用途地域が「第1種住居地域」になっているのはご存知の通り。
これだけを見ると、「なんだよ、一低住(←第1種低層住居専用地域のこと)じゃないのかよ」なんて思ってしまう方もいらっしゃると思うのですよね。
ちなみに、「用途地域マップ」さんのサイトで藤沢市を見てみるとこんな感じです。
第1種低層住居専用地域が少し暗めの緑色で表示される中、黄色く輝く(?)FujisawaSST。
まぁ、逆に比較的制限の緩い第1種住居地域だからこそ、湘南T-SITEやヤマト運輸さん、街の北側のウェルネススクエア北館・南館さんなどがご近所に建つわけですけれど。
もちろん、無秩序にそれらを商業施設等が建てられるわけではありません。
第1種住居地域の中を都市計画法に基づく地区計画でさらに細かく区分けして、それぞれの区分けごとに制限を定めることで、閑静な住宅街と商業施設の共存を図っているという仕組みになっています。
藤沢市の地区計画のページよりFujisawaSST内の区分け
2.第1種低層住居専用地域 vs FujisawaSSTの低層住宅地区A
さて、私たちの住まいである分譲戸建住宅は上図のどの区分けに属するかというと、地区計画における「低層住宅地区A」が該当の区分けとなります。
この低層住宅地区A、実はかなり制限が厳しくて、第1種低層住居専用地域と同じか、それを上回る制限が掛かっています。
いくつかの項目を見ていきます。
まず、建築物の形状等に関わる制限です。
項目 | 第1種低層住居専用地域 | FujisawaSST低層住宅地区A |
---|---|---|
建築物の高さ | 10m (藤沢市の場合) | 10m |
軒の高さ | 7mを超えるときは日影規制 | 7mを超えてはならない |
階数 | 2階を超える場合は日影規制 | 2階を超えてはならない |
前面道路から建築物の壁面までの距離 | 規制なし (藤沢市の場合) | 1.0m |
敷地面積の最低限度 | 規制なし (藤沢市の場合) | 120㎡ 旗竿地の場合は130㎡ |
高さが10mに制限されている点は、どちらも同様です。
軒の高さと階数は、それぞれ7mと2階という数字自体は変わりませんが、それら数字を超えた時の扱いが異なります。
具体的には、第1種低層住居専用地域では日影規制(建築物の形状に制限)がかかるのに対して、FujisawaSSTの低層住宅地区Aでは、そもそも超えることは許されないことになっています。
そして、前面道路からの建築物の壁面の位置や敷地面積の制限についても、FujisawaSSTの低層住宅地区Aでは規制がありますので、より厳しい規制が掛かっていると言えます。
続いて、建築物の用途に関する制限です。
こちらも表にまとめてみました。
項目 | 第1種低層住居専用地域 | FujisawaSST低層住宅地区A |
---|---|---|
住宅 | ○ | ○ |
住宅で事務所、店舗その他これらに類する用途を兼ねるもの | ○ | ○ |
共同住宅、寄宿舎又は下宿 | ○ | 長屋又は共同住宅(3戸以上のものを除く)は○ 寄宿舎・下宿は× |
小学校、中学校、高等学校、図書館その他これらに類するもの | ○ | 自治会用の集会所のみ○ |
大学、高等専門学校、専修学校その他これらに類するもの | × | × |
神社、寺院、教会その他これらに類するもの | ○ | × |
老人ホーム、保育所、福祉ホームその他これらに類するもの | ○ | 防災備蓄倉庫のみ○ |
老人福祉センター、児童厚生施設その他これらに類するもの | × | × |
公衆浴場 | ○ | × |
診療所 | ○ | ○ |
病院 | × | × |
巡査派出所、公衆電話所その他これらに類する政令で定める公益上必要な建築物 | ○ | ○ |
店舗、飲食店その他これらに類する用途に供するもの | × | × |
ボーリング場、スケート場、水泳場その他これらに類する政令で定める運動施設 | × | × |
ホテル又は旅館 | × | × |
工場 | × | × |
上記○の建築物に附属するもの | ○ (建築物附属の自動車車庫は600㎡以下) | ○ (建築物附属の自動車車庫は300㎡以下) |
住宅や住宅兼店舗が許されているのは共通しています。
許される共同住宅の範囲は異なっていて、FujisawaSSTでは「長屋又は共同住宅(3戸以上のものを除く)」までとなっています。
これは、いわゆるアパートはNGで、二世帯住宅までを想定している感じなのでしょうね。
他にも小中学校や老人ホーム、保育所が設置できないといった違いがあります。、
ただ、FujisawaSSTの場合は、低層住宅地区Aに隣接して「福祉・健康・教育地区」として学校や福祉施設が設置できるエリアが用意されているので、実質的には大した違いではなさそうです。(将来、それら施設が自宅のお隣に設置されることがない、という意味では違いはありますが。)
3.厳しく制限されていることはいいこと?悪いこと?
というわけで、第1種低層住居専用地域とFujisawaSSTの低層住宅地区Aとを具体的に比べてみました。
総合すると、FujisawaSSTの低層住宅地区Aは、第1種低層住居専用地域の制限をベースとしながらも、ちょっと規制が強化されている、という感じでしょうか。
ある面では、この厳しめの規制は自分の土地を自由にできない足かせとも言えます。
ただ、この規制が自分だけにかかるわけではなく、FujisawaSSTの住民の全員に等しくかかってくるので、地区計画の大幅改定が行われない限り、将来にわたって現状と同じような状態が維持されることが担保されます。
そういった意味では、安心材料ともいえるように思います。
個人的には、バランスのとれた規制と言えるかなと思っています。
以上、FujisawaSSTの低層住宅地区Aは、第1種低層住居専用地域と同等かそれ以上の規制が掛かっているというお話でした。
それでは、また。
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