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2016年1月11日月曜日

東京電力の新料金プラン!むしろ値上げ?(2016/1/11)

みなさん、こんにちは。
今日は、先日1月7日に発表された東京電力さんの新料金プランについて書いてみようと思います。



東京電力の料金プラン」のページを見てみると、最初に目に飛び込んでくるのがこちらの表示です。


東京電力さんによると「電化上手」を選んでいる場合は、現在の契約の継続が「オススメ」らしいです。

あれ?

安くなるのではないの?

そうなのです。

今回の新料金プランは、どうやら、みんなが恩恵を受けられるわけではないようです。

詳細は以下をお読みいただくとお分かりいただけると思いますが、少なくとも、オール電化にしていて「電化上手」のプランで契約している場合は、東京電力さんも「オススメ」しているとおり、現在の契約を継続した方がよいのは間違いなさそうです。

1.新料金プランで安くなるの?(オール電化の場合)



新料金プランのうち、オール電化世帯向けに用意されたのは、「スマートライフプラン」と呼ばれるものです。

現行プランの「電化上手」と新料金プランの「スマートライフプラン」の時間帯ごとの電気料金を比較してみました。


もう少し詳しく見ていこうと思います。

2.値上げ要因!


まず一番大きな違いは、(1) 「最安の時間帯(上図の青色部分)の価格と長さ」かなと思います。

こちらは値上げ要因です。

「電化上手」では、23時~7時までの8時間が12.16円/kWhであるのに対し、「スマートライフプラン」では1時~6時の5時間が17.46円/kWhになっています。

現在、「電化上手」のプランで契約されている方は、エコキュートによる貯湯が夜間に行われるのは当然として、なるべく、食器洗い乾燥器や生ごみ処理機、洗濯乾燥機などは夜11時以降になるようにされていたと思います。

しかし、「スマートライフプラン」に変更した場合は、それらを深夜1時以降に動作させるようにする必要があります。

さらに、例え深夜1時以降に動作させるようにしたとしても、そもそもの電気代が12.16円/kWhから17.46円/kWhへと大幅に値上げされてしまっています。

つまり、夜間の使用電力量が大きければ大きいほど、大きな値上げになってしまうのです。

ちなみに我が家の場合、夜間(23時~7時)8時間の使用電力量は1日の買電量の55%でした(年間平均です)。

この8時間の使用電力量を「スマートライフプラン」の夜間(1時~6時)の5時間にすべて押し込むことはやはり難しいでしょうし、それを頑張ったとしても、買電量の55%が5円値上げされることになってしまいます。


3.値下げ要因!


2番目の大きな違いとしては、(2) 「昼間のとても電気代の高い時間帯(上図の赤色部分)の廃止」が挙げられます。

こちらは値下げ要因となります。

「電化上手」では、10時から17時までの7時間は30円台/kWhと非常に高額でした(特に7月から9月は、40円近い金額!)。

一方、「スマートライフプラン」では6時~翌1時までの19時間、ずっと同じ25.33円/kWhが適用されることになっています。

つまり、昼間の使用電力量が多い世帯の場合、かなりの値下げが期待できる可能性がありそうに見えます。

が。

太陽光発電を備えていて余剰買取の契約をしている家庭の場合はどうでしょうか?

日中の電気代の高い時間帯は太陽光発電の自家消費がありますので、電力会社から購入する買電量は比較的小さくなるものと思われます。

実際、我が家の場合、昼間(10時~17時)7時間の買電量は1日の買電量の5%程度でした。

そうなのです。

少なくとも太陽光発電の余剰買取をしている場合、値下げされるのは1日の買電量のうち、わずか5%にしか影響がないのです。

(太陽光発電がなくても、日中の電気代の高い時間帯の電気使用を控えていたり、共働きで日中は不在にしがちというような場合にも、昼間(10時~17時)の買電量が少なめになって、この値下げはあまり効果がないかも知れないですね。)

4.その他の変更!

(1)基本料金の考え方の変更


新料金プランの「スマートライフプラン」では、上述の変更点のほか、基本料金の考え方も変更になっています。

現行の「電化上手」の場合、契約容量ごとの6kVA以下なら1,296円、7~10kVAの場合は2,160円、それ以上の場合は1kVAごとに280.8円を追加した金額がかかります。

Fujisawa SSTのオール電化物件の場合は、10kVAでの契約となっているので2,160円ですね。

「スマートライフプラン」の場合、基本料金は契約電力1kWあたり450円とされています(この契約形態を東京電力さんは「スマート契約」と呼んでいるようです)。

ここで「契約電力」ですが、新料金プランの説明ページによると「30分ごとの使用電力量のうち、月間で最も大きい値を2倍した値を最大需要電力といい、その月の最大需要電力と前11か月の最大需要電力のうち、いずれか大きい値がご契約電力(kW)となります。」とされています。

要は、直近1年間で、一番電気を使った30分を2倍して1時間分の最大需要電力を計算し、それを使って基本料金を決めるということのようです。

考え方としては、それだけの使用電力量を使っても大丈夫なように配電の設備を整えるのにかかる費用、といったところでしょうか。


HEMSを使って、過去1か月の1時間の使用電力量を調べてみましたが、最大で3kW前後くらいでした(エコキュートの沸き増しに何かが重なるとかなり大きくなるようです)。

電気の使い方によりますが、「最大需要電力」はおそらく、3~5kWくらいの間となることが多いのではないかなと思います。

3kWで済めば基本料金1,350円で済みますが、5kWとなると2,250円となり、現行の「電化上手」の基本料金を上回ることになります。

(2)基本料金を安くするには


さて、この「最大需要電力」の考え方ですが、月間の電気使用量が少なくても、同じタイミングで集中して電気機器を使うと数字が大きくなってしまうという計算上の特徴があります。

つまり、「スマートライフプラン」で比較的安価に設定された夜間に電気を集中して使うために、深夜1時から6時の間に集中して使ってしまうと、「最大需要電力」がとても大きくなってしまうという罠があるのです。

そのため、基本料金を下げるためには、むしろ使用時間帯をできるだけ分散させた方がいいことになります。

うまく夜間の5時間の中で分散させることができなければ、使用料が上がってしまうので、難しいところです。

ひょっとしたら、この課題に対応するために、今後はHEMSで夜間のスケジュール実行なんかができるようになったりするのかも知れないですね。そうすれば、便利なのですが。



5.結局、どっちがお得?


以上を総合して考えると、やはり東京電力さん自身が言っているように、少なくとも現時点では「電化上手」の契約を継続しておいた方がよさそうに思います。

我が家の場合、ざっと試算してみると、「スマートライフプラン」の方が「電化上手」よりも、月平均で1,000円強、高くなってしまいました(ほかの新プランはもっと高くなってしまいました)。

なお、「電力自由化、今のうちにできること!(2015/11/15)」の記事で書いたように、3月31日までは現行の料金プランを選択できますが、4月1日以降は新料金プランしか選べなくなってしまいます。

これって、見方を変えると、今、Fujisawa SSTの物件を検討されている方は、3月31日までに入居して東京電力と契約してしまった方が(年間で1〜2万円程度の差でしかありませんが)お得ということもできるかも知れないですね。

ちなみに、資源エネルギー庁さんの「電力の小売全面自由化って何?」のページによると、「少なくとも2020年3月まで」は、現行の料金プランを継続することができるようです。

<結論>
3月31日までに現行の料金プランで最安のものを選択して、今後登場するであろう他社からの新プランも含めて、ゆっくりと自分にあったプランを見定めていく、というのがもっとも良さそうです。

なお、エネチェンジさんのページで、各ご家庭の状況に応じて、どの電力会社のどのプランが最もお得かを簡単に診断してくれます。
現状、従量電灯BやCで契約されている方で、電気使用量が比較的多い方は、他社のプランも含めて、乗り換えを検討する価値があると思います。


それでは、また。


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2 件のコメント:

  1. はじめまして。
    【電気 値上げ 17.46】でググったら上位にありましたので拝見しました。
    非常にわかりやすくまとめられていて、知りたい情報が詰まっていました。

    我が家は、ガス併用の戸建て住宅を中古で購入し、その後、太陽光発電設置とオール電化にしました。
    最近は中古の電気自動車(日産リーフ)にも興味があり、充電用の配線レイアウトをイメージしてます。

    ガソリン価格が下落し、『電気自動車のメリットが薄れてきたかな?でもガソリン価格もまた上がるだろう』と思っていたさなか、オール電化住宅に非常に不利な料金の改正。。。

    原発の問題で値上げは致し方ないですが、なにより違和感があるのは、東京電力の料金プランについて、ポイントなどの付加サービスばかりが報道され、オール電化住宅に不利な内容が一切報道されないことです。
    政府や家電メーカーから圧力があるんでしょうか?非常に気味が悪いです。
    SMAPの解散騒動後、前向きな事しか言わないテレビ報道と重なる気がして仕方ありません。

    幸い我が家はもともとガス併用住宅なので比較的安価にガス併用に戻せると思います。
    今後の価格の動向に注意して設備更新のたびに選択していこうと思います。
    電気自動車は4月移行、中古価格が下落しないかな?と期待してます。

    返信削除
    返信
    1. コメント、ありがとうございます。お知りになりたい情報があったようで、よかったです。^^

      電気料金の自由化は楽しみにしていたのですが、今のところ期待通りとはなっておらず、残念な状況ですよね。
      ご指摘いただいた通り、この状況を正しく伝える報道はあまり見かけないように思います。オール電化世帯が少ないからなのか、それとも実際の値上げは2020年3月で、それまでは現行プラン(電化上手)が使えるから問題とならないからなのか。
      まぁ、電力自由化も始まったばかり(←正確にはまだ始まっていないですね)なので、他社から時間帯別料金のプランがもっと出てきて、もっと競争が生まれるとよいのですが、今のところ、残念ながら時間帯別料金プランはまだ出てきていないようです。
      今後、時間帯別料金のプランが出そろってきたら、また記事にしてみようかなと思っています。

      電気自動車、私も気になっています。ただ、リーフは航続距離が280kmということで、まだちょっと短いのと、急速充電でも30分かかるということで、ガソリン車に比べるとまだハードルが高いように感じてしまいます。その意味では、プラグイン・ハイブリッドの方がいいかなとか、まだ車の買い替えは予定がないくせに、いろいろ想像(妄想?)してます。
      それでは、また。

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