今、FujisawaSSTを検討している方は、きっと、現在販売されている三井不動産レジデンシャルさんのファインコートシリーズの物件が近隣に複数あって、悩ましい状況ですよね。
というわけで、今回は勝手に次の湘南4物件を比較してみました。
基本的には各物件の公式ホームページに掲載されている内容での比較となっています。
書き始めたら思いのほか長くなってしまったので、物件概要編と設備・仕様編の2回に分けてお届けさせていただきます。
それから、できるだけ公平に書くように努めますが、ちょっとFujisawaSST寄りじゃね?となるのはご愛嬌ということでご容赦くださいませ。(笑)
物件概要編
それでは早速、4物件の物件概要を比べてみます。
(1) 総戸数
まず目につく違いは規模(総戸数)ということになろうかと思います。最も規模が大きいのはパナホームとあわせて600戸を供給するというFujisawaSST。
既に350戸くらいが販売されたようで、今は西側の街区の販売が始まったところなのはご存知の通りです。
鵠沼松が岡の2物件は2つあわせても20戸以下ということになりますが、鵠沼という人気地域なだけに競争も激しそうですね。
湘南辻堂東海岸も全部で28戸とのことですが、既に最終期最終次(2戸)の販売がこの10月中旬ということなので、最後のチャンスということになりそうです。
(2)用途地域
物件概要を見比べる中で規模に続いて目立つ違いと言えば「用途地域」の指定でしょうか。湘南辻堂東海岸、鵠沼松が岡の粋憬の邸・惺麗の邸の3物件は、第一種低層住居専用地域なのに対して、FujisawaSSTは第一種住居となっています。
そのため、建ぺい率や容積率の数字も、FujisawaSSTだけ突出して数字が高くなっています。
ちなみに藤沢市の各用途地域の定義は、「用途地域指定に係る基本方針と用途地域指定基準(2015年6月)」(PDF注意)という資料で確認できます。
この数字や用途地域の指定だけを見ると、通常であれば、「FujisawaSSTは今の街並みは綺麗に揃っていたとしても、将来的にはアパートが乱立して日当たりが悪くなったり、お店が建って環境が悪くなったりしそうだな」と思ってしまうところです。
が、実はそんなことはないのです。
FujisawaSSTの場合、FujisawaSST地区の地区計画なるものが策定されていますし、景観形成地区でもあるためです。
まず、地区計画(PDF注意)によると、現在、戸建物件が建っている場所は「低層住宅地区」に位置付けられていて、建てられる建物の用途、壁面位置、高さ制限、緑化率などが定められています。
また、敷地面積の最低限度も120㎡と定められているので、土地がそれ以下には分割されない(いわゆるミニ戸建は建たない)ようになってもいます。
さらに、景観形成基準(PDF注意)では、建築物の意匠や色彩なんかも細かく決められています。
これを制限と見るか、落ち着いた住環境と見るかは人それぞれですが、「第一種住居地域」ということでの心配は当たらないとは言えると思います。
それどころか、この4つの物件の中ではもっとも厳しく用途を制限されていると言えるかも知れないですね。住宅地として利用する分には安心して生活できる環境と言えます。
ちなみに、鵠沼松が岡の「粋憬の邸」の方は、風致地区になっています。
藤沢市の風致地区のルールは、「風致地区のしおり」(PDF注意)という資料で確認できるようです。
こちらもかなり厳しく制限されていることが分かります。
(3)価格帯
続いて、気になる価格帯です。土地面積との関係で、この4物件の中ではやや小ぶりな湘南辻堂東海岸の物件が最も安価で5,000万円前後で設定されているようです。
相対的に見て少し広めの鵠沼松が岡の2物件とFujisawaSSTとは、もう少し高めですが、建物面積との関係でいけば、FujisawaSSTの方が少しお得な価格設定になっていると言えそうです。
これは土地の価格の影響が大きいかなと思います。
ご購入を検討される方は、路線価図(湘南辻堂東海岸、鵠沼松が岡5丁目、鵠沼松が岡4丁目、辻堂元町6丁目)を事前に見ておくと色々と参考になりそうです(路線価は市場価格の7〜8割程度と言われています)。
やはり、最寄駅へのアクセスの違いが効いているのでしょうか、鵠沼松が岡の2物件は路線価も高めになっているようです。
FujisawaSSTの路線価は、まだ「個別評価」となってしまっているので何とも言いにくいですが、湘南新道や辻堂元町5丁目の数字などからある程度は推測できそうですね。
(4)その他の違い
今回、比較してみて初めて気づいたのですが、FujisawaSSTとそれ以外の物件とでは、下水道の方式が異なっているようです。FujisawaSSTは雨水汚水分流方式、他の3物件は雨水汚水合流方式となっています。
どうやら、古くから下水道の整備をしてきた地域では、雨水と汚水とを同じ排水管を通す合流式が採用されて、昭和45年の下水道法改正以降、分流式にシフトしていったようです(合流式と分流式の違いや歴史については、国土交通省さんのページが参考になります)。
また、藤沢市の下水道計画によると、今回の4物件のある南部地区は一部を除いて基本的には合流式になっているようです(つまり、藤沢市南部のほとんどは合流式で、FujisawaSSTを除く3物件が特殊なわけではないことにご留意ください)。
この点、FujisawaSSTは大規模開発ということで、下水道を敷設し直す際に新しい方式である分流式にしたということなのかなと思います。
ちなみに、国土交通省のアンケート結果(PDF注意)によると、東京都の都区部をはじめ、かなりの都市が合流式になっています(大都市ほど、早くから下水道を整備した結果ですね)。
さて、大切なのは、方式の違いで実際に何が違ってくるのかだと思います。
少し調べてみたところ、合流式の場合、大雨が降って下水処理施設の処理能力を超えてしまう場合に、未処理のまま川に汚水と雨水の混合した下水を流すことがあって、そのための環境負荷が高いというのが最大の欠点とされているようです。
あくまでも環境負荷が高いということであって、悪臭などといった形での実害があるわけではなさそうです(そうでないと、誰も住めないですもんね)。
また、市の方でも、分流式と同程度の環境負荷になるような対策事業をしているようなので、気にするほどのことではなさそうです。
ただ少しだけ気になるのは、合流式の場合で、想定を大幅に超える大雨が降った場合に、河川の氾濫を防ぐために未処理の下水を河川に放流できなくなるという場合が、ごくごく稀に起こり得るらしいということ。
この場合、下水が逆流して各家庭の排水口から溢れ出すという恐ろしい事態がありえないわけでもないようです。
市の下水道計画では10年に一度の大雨くらいでも対応できる能力は確保されているようなので、それを超えて、かつ、標高などの他の要因が重なって初めてのことだとは思います。
藤沢市も土砂災害・洪水ハザードマップを用意してくださっていますが、河川の堤防決壊による外水氾濫だけでなく、排水がうまくできないことによる内水氾濫についても参考になるようです。
ちなみに、こちらの資料(PDF注意)によると、鵠沼海岸5丁目が2004年の台風22号で経験した浸水が、この下水の逆流による内水氾濫によるものとされています。
ハザードマップでも、水色に塗られた地域のようです。
もちろん、普段はそんなことを気にする必要なんてほとんどないのだろうと思います。
が、最近はゲリラ豪雨とか言って局地的にとんでもない量の雨が降ったりするので、万一に備えて火災保険のカバー範囲くらいはきちんと把握しておいた方が良さそうですね。
以上、物件概要の比較でした。
広さと値段だけでなく、周辺環境など色々あるので、どの物件がいいか、結構悩ましいですよね。
次回は、主な設備と仕様について比べてみようと思います。
それでは、また。
(追記)
全くの偶然なのですが、下水に関して、本日(10月7日)こんな出来事があったようです。
(もちろん、その後復旧しています。)
滅多にあることではないと思いますが、ご参考までに。
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