今日は、改正FIT法(再生可能エネルギーの固定価格買取制度が改正されて、平成29年4月1日に施行されています)で、9月末までに「事業計画」の提出が必要になったらしい、ということで、そのことについて書いてみようと思います。
と言っても、FujisawaSSTにお住いの方の場合は、三井不動産レジデンシャルさん、大和ハウス工業さん、パナホームさんといったデベロッパーさんたちがサポートしてくださるようなので、そちらのご案内に従えばよいようです(同じデベロッパーさんでも入居時期によって手順等が異なることもあるようです)。
まぁ、でもせっかく調べてみたので、ブログネタにさせていただきます。(笑)
なお、私と同じ境遇の方=平成29年度の改正法施行前に10kW未満の太陽光発電について余剰買取で売電の契約をされている方が対象(10kW以上の太陽光発電や他の自然エネルギーは対象外)の記事となります。
あしからず、ご了承くださいませ。
≪目次≫
1.そもそも関係あるの?
2.事業計画って何を書くの?
3.どうやって提出したらいいの?
4.遵守事項ってなんだ?
5.おわりに
1.そもそも関係あるの?
「事業計画」の提出が必要、なんて言っても、「それって10kW以上の全量買取で売電している事業者さんや準事業者のような方々が対象なのでは?」と思いたいところ。
が、結論から言うと、10kW未満の太陽光発電を余剰買取で契約している私のようなケースも、改正法の下で「事業計画」の提出が必要なようです。
具体的には、改正された「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(PDF注意)」の附則にて次のように定められています。
第四条 この法律の施行の際現に旧法第五条第一項に規定する接続をしている旧法第三条第二項に規定する特定供給者・・・は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)に新法第九条第三項の認定を受けたものとみなす。
2 前項の規定により新法第九条第三項の認定を受けたものとみなされる旧特定供給者・・・は、経済産業省令で定めるところにより、経済産業省令で定める期間内に新法第九条第二項各号に掲げる事項を記載した書類を経済産業大臣に提出しなければならない。
第七条 附則第四条第一項・・・の規定により新法第九条第三項の認定を受けたものとみなされる場合以外の場合には、旧認定は、その効力を失う。
つまり、平成29年4月1日の時点で売電している人は、自動的に改正法の認定を受けたことになるけど、改正法に定められた書類を提出しなければならない、ということのようです。
そして、それをしない場合には認定の効力が失われてしまう、ということのようです。
2.事業計画って何を書くの?
事業計画なんていうと、ちょっと身構えてしまいます。
通常「事業計画」と言えば、初期投資の費用、毎年の収益見込み、毎年の必要経費、投資回収にかかる年数なんかを書く必要がありそうです。
でも、建売分譲の場合、太陽光発電部分のみのコストが必ずしも明確でない場合もあるので、初期投資の費用とかどうしたらいいんだろう?なんて不安になったり。
でも、そんな心配は不要でした。
少なくとも「10kW未満の太陽光発電の場合」は、かなり簡単な内容を記載するだけでよいようです。
資源エネルギー庁さんの「なっとく!再生可能エネルギー」のページに置いてある「10kW未満の太陽光発電の場合」の代行申請時の事業計画書の見本(記入例)(PDF注意)によると、事業計画として記載しないといけない項目は次の通り。
- 提出者の住所・氏名・電話番号
- 設備ID・設備の所在地
- 太陽光発電の合計出力(kW)
- 接続契約締結先
- 買取契約締結先
- 買取価格
- 運転開始状況(開始済みにチェックをつけるだけ)
- 遵守事項(各項目にチェックをつけるだけ)
いずれも電力会社さんからの「購入電力量のお知らせ」と上記記入例とが手元にあれば書けそうな内容ばかりです。
この程度なら私にも書けそうです。
3.どうやって提出したらいいの?
「平成28年度までに認定を受けた方の事業計画の提出」によると、事業計画の提出方法は2通りあるようです。
(1) 自分で直接的に電子申請をするか(直接申請)、(2) 再生可能エネルギー新制度移行手続代行センターに書類を提出して、同センターに電子申請を代行してもらうか(代行申請)。
直接申請の場合は、「ユーザIDを取得(ネット)」→「設備IDとユーザIDの紐づけの書面に印鑑証明書を添えて提出(郵送)」→「事業計画を電子申請(ネット)」の3段階。
まぁ、3段階と言っても1段階目と2段階目はネットなので、大した手間ではなさそうです。(太陽光発電の設置時期によっては、もともとユーザIDをお持ちの場合もあるのかも。その場合は、もっと簡単になりそうです。)
こう書くと「代行申請の方が楽?」という感じですが、今回、電子申請をしておけば、将来的に変更申請が必要になった場合(太陽光発電のパネルを追加した場合や名義が変わる場合など)にネットで完結できるという利点もあります。
とは言え、「変更申請なんて当面する予定ないしなぁ」というような場合には、代行申請で十分なのではないかなと思います。
なお、直接申請・代行申請のどちらにしても、印鑑証明書はゲットしておく必要があります。エネ庁さんのページの手順に従って事業計画の提出を受ける場合は、まずはそこからスタートということになりそうです。
※上記はあくまでも一般論ですので、くどいようですが、FujisawaSSTにお住まいの方は、具体的な手順はデベロッパーさんの案内に従ってください。
4.遵守事項ってなんだ?
「2.事業計画って何を書けばいいの?」のところで、遵守事項にチェックをつけると書きました。
10kW未満の太陽光発電の場合、具体的な項目は次の7項目となります。
- 事業計画策定ガイドラインに従って適切に事業を行うこと。
- 安定的かつ効率的に再生可能エネルギー発電事業を行うために発電設備を適切に保守点検及び維持管理すること。
- この事業に関係ない者が発電設備にみだりに近づくことがないよう、適切な措置を講ずること。
- 接続契約を締結している一般送配電事業者又は特定送配電事業者から国が定める出力抑制の指針に基づいた出力抑制の要請を受けたときは、適切な方法により協力すること。
- 再生可能エネルギー発電事業に関する情報について、経済産業大臣に対して正確に提供すること。
- この再生可能エネルギー発電事業で用いる発電設備を処分する際は、関係法令(条例を含む。)を遵守し適切に行うこと。
- 再生可能エネルギー発電事業を実施するに当たり、関係法令(条例を含む。)の規定を遵守すること。
大したことは書いていないようにも思うものの、どこまでやったらよいのか、判断が難しい項目もありそうです。
まず2番目の維持管理ですが、資源エネルギー庁さんが公表されている「新制度に関するよくある質問」(PDF注意)によると、次のように説明されています。
住宅用太陽光発電では、専門的な保守点検等は難しい場合も想定されるため、最低限、目視等で異常がないかを確認する等の措置を考えていただき、保守点検及び維持管理計画の内容を検討してください。なるほど、目視でよいから時々チェックをしていれば足りる、ということですね。
それから、3番目の「関係ない者が発電設備にみだりに近づくことがないよう」にする措置。
前述のよくある質問では次のように書かれています。
柵塀の設置が困難な場合(屋根や屋上に発電設備を設置する場合等)・・・には、柵塀の設置は不要です。
大抵の場合、パワーコンディショナーのような収納箱等により囲われている設備については、柵塀を設置する必要はありません。とりあえず、住宅用の場合、屋根の上にさらに柵を設けたり、パワコンの周りを囲ったりする必要はないようです(10kW未満のケースしか調べていないので詳細は分かりませんが、街の外周に設置されているコミュニティ・ソーラーは何らか対策が必要なのかも知れないですね)。
そのほかの項目は、ざっと見た感じ、そんなにびっくりするようなことは求められていないようで、基本的には、きちんと管理をして、周りに迷惑をかけないように、ということのようです。
なお、1番目の遵守事項に挙げられているガイドラインは、「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」(PDF注意)が該当のものになります。
チェックをつけて「遵守します」と言う以上、一度、目を通しておくべきなのかもですね。
5.おわりに
というわけで、改正FIT法のもとで求められている事業計画の提出・認定について書いてみました。
「事業計画ってナンダ?!」と最初はちょっとびっくりしましたが、そんなに構える必要はないようです。
私自身としては発電設備を持って売電をしていることの意味(最後に廃棄するところまでしっかり管理する責任があることなど)を改めて感じるよい機会になったように思います。
大した書類を出させるわけでもないことからすると、案外、それが狙いだったりするかも知れないですね(特に10kW未満の太陽光発電をしている人に対しては)。
それでは、また。
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